シャーロッキアンの作り方 1
私とシャーロック・ホームズの最初の出会いは、多分小学生のころのことだ。
一番古い記憶は、図書館の児童室で読んだ偕成社版だ。
ホームズにはきちんと触れていて、やはり赤毛連盟やまだらの紐は印象に深かった。
小学館のてんとう虫ブックス版を買った記憶もある。
また、学研から出ていたゲームブックシリーズは、わざわざ父と神保町まで行って揃えた。
ただし、そのころ本当に夢中で読んでいたのはホームズではなくて、怪人二十面相やキャプテン・フューチャーなどのSFの本だった。
おかげで戦後間もない東京の街と、未来の荒唐無稽な宇宙が私の頭に同居することになった。
この項続く