シャーロッキアンの作り方 2
小学生の頃、色々と濫読していたが、面白いと思ったのは怪人二十面相であって、シャーロック・ホームズではなかった。
この頃の私にとっては、ホームズはたくさん読んだ本の中の一冊でしかなかったのだ。
中学生の頃、通っていた塾の英語の授業で読んだのが”The Six Napoleons”だった。英語は苦手で、やる気もなかったのだが、すっかりストーリーに引き込まれてしまった。
午後九時ごろ家路につくのだが、帰りに遅くまでやっている書店に寄り道して、新潮文庫の『シャーロック・ホームズの冒険』を買った。
次の日には完読し、その後立て続けに短編集と長編を全て買って読んでしまった。この間、一ヶ月なかった。
それですっかりシャーロッキアンになった、かというと、そうでもなく、その後数年間、ホームズに触れることはなかった。
この項続く