シャーロッキアンの作り方 5
私は子供の頃からの蔵書家で、とにかく本であれば、買うことにまったくの躊躇がない。高校時代ですでに数千冊あったが、その後経済的に自由が利くようになってからは、さらに以上な増殖を続けている。
『シャーロック・ホームズ読本』の後ろのほうには、関係書籍などのリストがあって、まずは全部集めようと決心してしまった。そしてゆくゆくは関係書籍全部を。
ちくま文庫の『シャーロック・ホームズ全集10』の巻末の文献リストを見れば、関係する日本語の書籍・雑誌・新聞は2300点に及ぶ。
これはまさしく悪夢だ。
そして、読まない。。。。
ご存知の通り、蒐書家であって、読書家ではないので。
まったくの余談だが、私は「研究」が嫌いだ。人が研究した成果を読むのは好きだが、面倒などで自分で研究する気にはなれない。だから、厳密に言うとシャーロッキアンではないのかもしれない。
主眼は、「くだらない」ホームズを探すことだ。18禁成人コミックのホームズとか、PDAの解説書とか、とにかくお馬鹿なホームズとか。
新刊を買って読んで、その内容が上質であれば素直に楽しみ、くだらない内容であればそのくだらなさを楽しみ、瑣末なものであればその希少性を楽しむ。
そしてつまらないものであれば、「こんなつまらないものまで持っている」ということ自体が楽しい。
価値のないものでも、同じテーマでボリュームがあれば、それ自体が価値である。そういった価値を生み出せるくらいのコレクションになればいいな、と思っている病的なシャーロッキアンな私なのだ。
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