ポスト小泉
少し昔、政党といえば自由民主党・日本社会党・民社党・公明党・共産党・新自由クラブであった。
自由民主党は、1955年の、保守合同によってできた政党だ。
緒方武虎の自由党と、鳩山一郎の民主党という、戦前の立憲政友会系と立憲民政党系の政党、いわゆる保守系の政党がひとつにまとまったわけだ。
そして今尚、保守系の政党であり続けている。
日本社会党は、戦前の無産政党系の政治家が結集して立ち上げた政党で、社会民主党に改組するまで、一貫して労働者のための政党であった。
しかしながら、内部で自民党以上の派閥抗争を繰り返し、離合集散した挙句、結果として単独で政権をとることを放棄してしまった。
このため、55年以降のほとんどの期間、与党という言葉は、=自民党、であった。
この自民党は、良くも悪くもアバウトでゆるかった。
派閥がまかり通り、常に主流派と反主流派に分かれていた。
主流派が政変で倒れれば、反主流派がそれに交代した。
二大政党制というのは、主義主張の異なる二つの政党の支持が拮抗し、簡単に政権交代が起こる状態を言う。
だから、政変が起こって政権が倒れた場合、次に政権を担える政党が常に存在するのである。
日本の場合は、民意は反映しないものの、自民党の派閥政治がその代わりの役目を果たしていたといえる。
しかしながら、現在の状況を考えてみると、怖い状況がここにはある。
二大政党制を目指している民主党は、党内の統一が取れず、政権をとても担えることのできない烏合の衆である。
それに対して自民党は、昨年9月の総選挙で、派閥と小泉対抗勢力を完膚なきまでに叩き潰し、オール主流派の様相を呈している。
ポスト小泉候補といわれている人たちも、基本的には小泉首相と同じ側の人間である。
もし今の状況で政治的な状況が大きく変化して、政権が倒れるようなことがあったら、誰が日本の舵を取るのであろうか。