通信販売のお話2
歴史的に見れば通信販売は
1:不便な地域で、物を郵送で買う手段
2:怪しげな商品、恥ずかしい商品を、非対面で買う手段
3:巧妙な口上や実演で、店頭ではわからない便利さをアピールして販売する手段
4:家にいながらにして物を買う手段
という変化をしてきたと思う。
インターネットの普及により促進されたのは、4の「家にいながらにして物を買う手段」だ。
楽天の参加店舗を眺めてみると、肉や野菜の食料品から、車やバイク、証券まで、それこそ何でも変えるといっても過言ではない。
これは昔ではありえなかったことだ。
通信販売は広告やカタログで行われるのが一般的だったので、掲載できる商品の点数に限りがあったが、インターネットではスペースに物理的な制限がないので、何万点でも取り扱うことが出来る。
現実の店舗でも物理的に限界があるのだから、やはり取扱商品数も限られてくる。
しかも検索も便利で、キーワードを指定すれば希望の商品を探し出すのは、カタログのページを丁寧に見ていくのに比べてはるかに楽だ。。
物流はヤマト運輸が始めた宅配便事業によって、大幅に改善された。格安で全国津々浦々、翌日または翌々日配送が可能だ。
こうなると、ある商品を買いに行くのに、かかる交通費と時間を考えれば、インターネット通販で買うのが便利でお得だ、と考える人が増えても不思議ではない。
蒐書家である私の、ここ数年の本の調達は、新刊・古本あわせて実に9割以上がネットでの購入である。
書店での出会いはもちろん大事だが、買うと決まっているものならば、わざわざ探しに行かなくても、クリックひとつで買えるAmazonは便利だ。
古本屋回りをしてもなかなか見つからなかった本は、ネットで検索してかなりの部分を買ってしまった。
DVDも相変わらず大量に購入しているが、書店売り限定のDVDを除いて、ついぞ店頭で買った記憶がない。
在宅勤務で、ネット通販を活用すれば、何年も外出する必要もなく、生活できてしまう現実が実現しつつある。
インターネットショッピングは危険、といわれる方もあろうが、十分な知識を持って、それなりに注意していればまったく問題はない。
信頼できるサイトだけを使い、クレジットカードの明細をきちんと確認する、あるいは、代金引換を利用する。OSには常に最新のパッチを入れ、セキュリティソフトで防御する。これだけで被害の大部分は防げるはずだ。
むしろ、現金を持ち歩いて買い物するよりも、よほどリスクは少ない。
便利な世の中になったな、と思うと同時に、現実の書店に行く回数がめっきり減ったな、と思う今日この頃である。