次世代DVD
次世代DVD、ついに激突 東芝先陣、月末発売 ソニー、満を持し夏
高画質な映像を長時間録画できる次世代DVDの規格問題で、東芝中心の「HD DVD」グループと、ソニーなどが提唱する「ブルーレイ・ディスク(BD)」グループは規格を統一できないまま、それぞれが商品を発売することになった。ビデオカセットで、かつて熾烈(しれつ)な規格争いとなった「VHS対ベータ」と同様の、電機、ソフト、ゲーム業界を二分する“陣取り合戦”が、再び市場で繰り広げられることになる。
両陣営は商品化を前に規格統一に向けた交渉を進めたが、結局は双方が優位点を主張しあって議論は平行線のまま、昨春に事実上、頓挫した。電子情報技術産業協会の岡村正会長(東芝会長)は二十三日の定例記者会見で、「消費者がどちらかを選択するのを待つ状態だ」として、規格統一の断念を表明した。
規格争いの緒戦はまず「HD DVD陣営」の東芝が、発売機器、価格とも未定ながら今月末に国内で発売。ほぼ同時に北米で四百九十九ドル九十九セントの再生機を発売、BDに対し価格の優位性でアピールするとともに、音響機器専門店向けに七百九十九ドル九十九セントの高級機も投入して市場を広げる構え。
「BD陣営」は、ソニーが七月から再生専用機を千ドルで発売。続いてパイオニアなども今夏以降、順次再生機を発売する構えだ。
一方、再生機の発売時期などが決まったことで、「普及のカギを握る」(大手電機メーカー)とされるソフト業界の動きも活発になってきた。
HD規格では、ポニーキャニオンが環境ソフト三タイトルを四月上旬までに発売、東芝エンタテインメントも映画「ネバーランド」を四月に発売する。
これに対しBD陣営では、二十世紀フォックスやソニー・ピクチャーズなどの映画会社が、夏までに約八十五の映画タイトルを発売する予定だ。
両規格にとって、ソフトと並んで販売を後押しする材料として期待がかかるのがゲーム機。
BD陣営にとって「普及の切り札」といわれるのがソニー・コンピュータエンタテインメントから発売される「プレイステーション3(PS3)」だ。発売が十一月に延期されたものの、現行機のPS2がDVDの普及を後押ししただけに、期待がかかる。
対するHD陣営は、マイクロソフトの「Xbox360」向けに、外付けの再生機が年内にも発売される。
電子情報技術産業協会によると、DVDプレーヤーとレコーダーの国内需要は平成十五年にVTRを抜いて順調に伸びたが、普及一巡で十七年は前年比1・5%減の七百十三万台と初のマイナス成長となった。
このため電機メーカーは次世代DVDに期待をかけるが、「規格争いが買い控えを誘発する」(市場関係者)との見方もあり、メーカーの思惑とは違った展開となる可能性もある。
(産経新聞) – 3月25日3時23分更新
物理的なサイズは同じなので、両方扱えるドライブが出てきて一件落着と見た。
それにしても、もう商品が出ているのに「次世代」とはいかに?