PSE法
出た、物事の本質を無視した結論が。[PSE]マークなしでも販売認める 経産省が4月以降も
国の安全基準に適合していることを示す「PSE」マークがない一部家電製品の販売が4月から禁止される問題で、経済産業省は24日、4月以降も当分の間はPSEマークがない中古家電製品の販売を事実上認めることを決めた。リサイクル業者などが中古品を販売した後、自主検査でマークを付けるまでの間について、同マークを義務づけた電気用品安全法の対象外となっている「レンタル」とみなすことで従来方針を転換する。
経産省は、リサイクル業者などの強い反発を受け、漏電の有無など安全性の自主検査体制が全国で整うまでの暫定的な措置として、PSEマークのない中古品の販売を容認せざるをえないと判断。同日行われた全国の中古品販売業者で作る「PSE問題を考える会」(小川浩一郎代表)との会談で説明した。
マークなしで販売した中古家電について、経産省は「検査機器が行き渡った段階で安全性を業者が点検してPSEマークを付ける」と説明。業者は検査機器を持参して販売先を訪ねたり、販売先から中古品を持ち込んでもらって検査する手間がかかる。このため、検査体制が整っても負担を嫌って自主検査をせずマークを付けない業者が出てくる可能性もあり、安全対策が骨抜きになる懸念もある。マークなしの販売を容認する期間についても、経産省は「数カ月程度」と明確には定めていない。
同会は「経産省の周知不足で、4月までにPSEマークを付ける余裕がない」などとし、同法見直しや4月以降もPSEマークがない中古家電を販売できるよう猶予期間を延長することを求めていた。経産省は当初、漏電などの検査機器を全国で無料で貸し出したり、検査代行などを請け負う対策を公表していた。しかし、検査機器が全国的に不足していることを重視し、同法の対象外であるレンタルの形式が整っていればPSEマークがなくても事実上の販売を認めることにした。
同会の小川代表は同日、経産省とともに会見し、「実質的に猶予期間の延長を勝ち取ったと理解している。法自体の見直しは引き続き求める」と述べた。経産省消費経済政策課の福田秀敬課長は「(暫定措置は)あくまで検査機器が行き渡るまでの間のこと」と、同法改正などは考えていないことを強調した。【宇田川恵】
【PSEマーク】 家電製品などの安全確保のための電気用品安全法(01年4月施行)で、メーカーや販売業者が製品に付けることを義務づけられた、国の安全基準に適合していることを示すマーク。マークのない製品の販売を禁止したが、品目ごとに法律の施行から5年、7年、10年の猶予期間を設けた。テレビや冷蔵庫、洗濯機など259品目については、マークのない製品販売を認めた猶予期間が31日で切れる。
2006年03月24日23時02分 毎日新聞
この法律の趣旨は、電気用品取締法の規制を「緩和」するものであったはずだ。
これまで行政機関に持ち込む必要のあった特定品は、民間の検査機関でOKになったのである。
そして特定品以外は自主検査でよくなったのだ。
国が抱えていたものを、民間に移行しようというもので、そのかわりきちんとやらないとひどい事になるよ、という法律なのだ。
もし中古品をOKにしてしまうと、検査されていない機器が新品なのに「中古品」ということでOKになってしまう。
本来国民の安全を念頭に置いた法律であり、中古品を除外すると完全なザル法となる。
この法律を悪法と決め付けて改正するのは時間がかかる。そもそも、立法の趣旨は問題なく、改正する必要性はさして見当たらない。
それよりも、各中古品販売業者が業界団体を組織して、その団体で検査機関を持ち、そこでOKになったものに業界としてPSEマークをつけ販売すればよい。
そもそも、消費者の安全を守るのが立法の趣旨なのだから、たとえそれが中古品でもやってもらわないと困る。
だいたい、立法から5年間も気づかないなんて、話としてありえない。いくら経済産業省の周知が足りなかったからといって、死活問題になりかねない法律の情報にまったく気づかないとはのんきな業界である。
政治や行政というものは、国民の側から積極的にかかわっていかなければいけない。でなければ、「官報に掲載しました」で告知したことになってしまう世界なのだ。
やはり、業界団体は必要なのだ。