バルトの楽園
先日、3ヵ月半ぶりに映画を見に行った。「バルトの楽園(がくえん)」だ。
見る前、松平健が立派なひげを生やしているのが印象的だった。
これは第一次大戦時、捕虜となった独逸兵を収容した「坂東俘虜収容所」のお話。ほかの収容所では囚人同然の非人間的扱いだったのに対し、松江中佐率いるこの収容所では、大変に人間的な扱いをしていたという。
近代史専攻であったにもかかわらず、お恥ずかしいことにこういった話はまったく知らなかった。
全体的に感動的な話であるが、適度に笑いがあるところが良い。
独逸兵たちが、解放後に、松江所長と地元民に対して、感謝の意を込めてベートーヴェンの第九を演奏するということ以外は、ストーリーらしいストーリもないし、松江が人道的であったということ以外に、意外な歴史的事実があるわけでもない。ただ、それが全体としてはうまく構成されていて、最後まできちんと見せる映画だった。
しかしながら、座席はガラガラ、その館では上映は一日一回というお寒い状況。デスノートも良いけれど、こういう映画に対してもうちょっと注目が集まっても良いんじゃないだろうか。
えらい日本人は杉原千畝だけじゃないんだと。
☆☆☆★★
画像引用元 映画.com