北朝鮮の挑発で思うこと

北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)をまた発射したという。
さんざん国際社会が警告を行ったにもかからず、だ。
まったく、懲りない国である。

ある世論調査では、国民の半数以上が、現在の日本政府の対北朝鮮政策に失望しているという。
その内容のほとんどが、対応の遅さと、経済制裁を求めるものであったが、少数ながらBMD(弾道ミサイル防衛システム)の整備を求める意見があった。
このBMDについては、平成11年に閣議決定され、日米豪の共通システムで開発することが決定、多額の予算も計上されている。

この問題について私が思うのは、別にミサイルなんかどうでも良いってことだ。
まともに制御できていないらしいところだけは怖いが、ミサイルそのものは核弾頭を搭載しない限り怖くは無い。
それよりも問題なのは、仮にこの国が暴発してミサイルを日本に向けて発射した場合、そのミサイルを打ち落とすという行動しか出来ないということだ。

自衛隊は専守防衛しか出来ない。
ということは、仮に戦闘状態に入った場合、その地域は全て日本領内での防衛に限られるということである。
戦略的に最も避けたい地域でしか戦争できないということだ。
ミサイル発射の根拠地が日本領海内であった場合は、その根拠地を叩くことが出来るが、北朝鮮領内から発射されている場合、日本はその発射地を叩くことが出来ない。
日本の防衛の最大の弱点はここにある。

憲法九条は、今の日本国憲法の中でもっとも大切な条文である。戦後の日本の経済的繁栄は、この九条のおかげであったといっても過言ではない。
だが、この九条のために、現実問題としてまともな防衛戦争をすることが出来ないのもまた事実である。この足かせをはめられたまま今の日本が存在できるのは、日米安保条約により、在日米軍という、世界一強い軍隊が日本に駐留しているからだ。

この憲法九条が存在する限り、日本はアメリカの属国でしかないのである。

注記:別に私は憲法九条を破棄して、普通の国になれといっているわけではない。
本文でも書いたが、九条は戦後の日本の経済的繁栄を支えてきた重要な役割を持っている。
「アメリカ主導で押し付けられた」形で、軍隊をもてない憲法を持つことが出来たのは、私は日本側の外交的謀略であったと信じている。
つまり、アメリカは、自分が押し付けたつもりになっている憲法があるために、日本に軍事的負担を要求すること出が出来なかったとする説である。現実に韓国は「普通の国」だが、ベトナム戦争などで米軍に協力させられ、現地の恨みを買っているうえ、多数の犠牲者が出ているのだ。
私が考えるのは破棄ではなく、憲法九条の精神にのっとって、より現実に沿った線で改正すべきだということに過ぎない。

無學童子
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