Electronic money3
そもそも、「電子マネーって何なのよ」と考えると、そのあるべき姿が見えてくる。
実際のところ、決済手段としては現金だけあれば十分だ。
ただ、デメリットはあって、
1.現金は持ち歩くこと自体がリスクであり面倒
これに尽きる。
決済のときにその分を所持していなければならないのだが、大きな金額になるとそれ自体がリスクだ。
そこで現金に代わるいろいろな決済手段が登場したが、クレジットカードはその代表選手みたいなものだ。
それでもデメリットはある。
2.クレジットカードは決済に時間がかかり小額には向かない
ということになる。
3.クレジットには与信が必要であり、通らない人がいる。
ほかに、クレジットカードの場合不正使用なんてのをあげる人がいるけれど、カードホルダーに落ち度が無ければ補償されるからデメリットではないだろう。
で、電子マネーだが、要は上記のデメリットを解決する決済手段としてあるわけだ。
これを解決ないしは軽減できないようだと存在する意味はないし、デメリットを解決する別の手段があれば、電子マネーでなくても良いことになる。
まず、持ち歩くリスクについてだが、これは解決していない。
プリペイドの電子マネーは暗証番号がいらず、カードを持っている人が誰であろうと使えてしまう。
ポストペイのものでも小額なら暗証番号はいらない。
つまり、持ち歩くリスクの解決にはなっていない。
ただし、プリペイドでチャージできる金額には上限があるし、ポストペイの暗証番号レスも小額のみなので、制限はかかっている。
次に決裁の時間だが、これもまたなんともいえない。
もちろん、与信枠の確認とサインが必要なクレジットカードよりは早いかもしれないが、連動していないタイプのレジだと現金よりも数倍かかる。
電子マネーを導入するためにキオスクでレジが導入され、全体のオペレーションスピードは間違いなく遅くなった。
カードや電子マネーと連動したレジシステムを採用している店舗のうち、カードのサインレスを実施しているところに関しては、オペレーションにかかる時間は電子マネーもクレジットカードも変わらない。
そして与信だが、プリペイドでは必要なし、ポストペイについては未解決だ。
こうやって並べていくと、意外に電子マネーって、既存の決済手段のデメリットの解決にはなっていないことがわかる。
ではどうして電子マネーがそれなりに普及しているのかというと、上記のデメリットの一部の解決と、電子マネーごとに+αのメリットがあるからだ。
その+αとは、たとえばポイントプログラムであったり、交通機関との連携であったりするわけだ。
ただ、やっぱり+αは+αに過ぎず、先にあげたデメリット3つをきちんと解決できるものが登場すれば、それが間違いなくこの電子マネー戦争の勝者だろう。
つまり
・所持者ではなく所有者にしか使えないこと
・すべての導入店舗において、現金と同等の決済スピードが実現できること
・与信が必要ないか、万人に小額の与信枠を与えること
これが実現できれば勝者である。