入学式
「入学式当日に学費現金納入」県立高の制度・運用に問題も
千葉県八千代市の県立八千代西高校(生徒339人、大迫太校長)が入学料などを納めていない新入生2人を入学式に出席させなかった問題で、学校側が未納を把握したのは、式の1時間前だったことが16日、わかった。
2人は保護者と連絡を取るなどして当日に納めたが、式には間に合わなかった。式当日に入学料などを現金で納める制度は千葉県のほか12道県にあるが、猶予期間を設けるなどしている例が多く、学校、生徒側ともに余裕を持った対処のできない制度や運用が問題になりそうだ。
千葉県では県立高校の入学料(5650円)や教科書代などを合わせた入学金を式当日に納入する。八千代西高では、3月上旬の合格通知に同封した文書と、同月中旬の説明会で計9万円の納入が必要と説明し、分納も可能と伝えていた。
2人が入学金を持参していないことを学校側が知ったのは午前9時ごろ。県教委によると、入学料が未納でも校長が個別事情を考慮して入学を許可できる。だが、大迫校長は、生徒や保護者とやりとりをするなかで「滞納の可能性がある」と判断。入学許可を出さないまま出席させることも検討したが、他の生徒が名前を呼ばれて起立する中で2人は座ったままという状況を避けるために見送った。
2人のうち男子生徒は式直前に保護者へ電話。保護者は「後で払う」と答えたが、すぐには校長らに伝わらなかった。結局、式終了後の午前11時ごろに届けられた。女子生徒の保護者は2万円の分納を同校と合意しており、学校側は「何とか今日中に」と、来校していた保護者に求め、午後5時すぎに納められた。
須藤信夫教頭によると、同校は県内でも授業料の滞納が多く、毎月10通以上の督促状を送っていたため、厳しい判断をしたという。須藤教頭は「交通トラブルなど未納の具体的事情が把握でき、納入の確証が得られれば入学を許可していた。事前振り込みなら対応の余裕があった」と話す。
当日納入制度を持つ、千葉県を除く12道県のうち、山口県は条例細則で、納入は「入学後5日以内」としており、担当者は「(式に出席させないことは)想定していないし、規則上もあり得ない」とする。秋田県では15日以内、愛知県でも入学後20日までの猶予期間がある。
千葉県と同様に猶予期間がない栃木県の担当者は「親の経済問題と生徒の学ぶ意欲は別次元。生徒に配慮した対応をしたい」と話す。一方、山梨県教委は今回の事態を受け、入学式当日に納められないケースの対応策を検討し始めた。
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長崎県佐世保市の県立佐世保工業高校定時制(143人)で、入学金を持参しなかった男子生徒2人を8日の入学式に出席させず、別室で待機させていたことがわかった。
同校によると、新入生43人のうち2人が、4月分の授業料などを含む入学金6万3000円を持参しなかった。2人は未成年で、保護者と学校側が話し合い、分割で全額納めることで合意。式後に教室で開かれたオリエンテーションには2人とも出席したという。
辻法行教頭は「生徒にはつらい思いをさせたが、学校としても苦渋の決断だった」と話している。
県教委によると、「入学金は入学時に支払う」と条例で規定されており、「事前に説明会を開くなどしており、やむを得ない措置だった」(高校教育課)としている。
(2008年4月17日03時03分 読売新聞)
入学金を支払っていないのなら、入学式出席拒否以前に、入学そのものが無効だと思う。
式に出席できないのは当然だろう。
とはいえ、当日に現金で納付ってどうなんだろう?
何万円ものお金を当日持参って言うのは、仕組みとしておかしい。
事前に振込みによる納付で良いと思う。
何らかの事故によって納付が遅れることもあるわけだから、もう少し柔軟な仕組みにするべきだ。