特許ゴロ

世界一の発明王とは誰のことかご存知だろうか。
アメリカの発明家、ジェローム・レメルソンである。
その根拠は、彼が保有していた特許件数が500を超えること、そしてそこから得た収入が推定で数兆円ということである。
しかし、彼がトーマス・エジソンのように尊敬されることは無かった。
理由はその手口が「サブマリン特許」だったからだ。
日本の特許の場合特許の期限が、出願公告(特許庁が公報で出願内容を掲載し、異議申し立てを受け付ける制度)の日から15年、出願日から20年以内と定められている。
一方、アメリカの旧特許法では、特許が成立してから17年間有効とされている。
両者の期限は一見どちらも同等のように見えるが、アメリカのほうは特許として成立するまで公開されていなかったのである。
レメルソンの特許は最初に1950年代に出願されたが、継続出願となり特許として成立したのは80年代後半から90年代前半だったのである。
そしてその特許の有効期限は成立から17年なのだ。
レメルソン特許の内容は成立したころには広範な技術、広範な業界、広範な商習慣を網羅するように内容が改変されており、多くの企業がこの特許の餌食となった。
こういった手口はすでに法的に封じられたが、それでも取るに足らない発明を安く買い、大手企業を恐喝するパテント・トロールというのが後を絶たない。
特許を保有する企業自身ではなんら生産的な活動を行わないのも関わらず、大手企業の発明品・製品・商習慣などから自らの特許との類似の部分を見出し、それらの企業に対して法外なライセンス料は賠償金をせしめようというものである。
さて、今日見たニュースも本当はそれに近いことなのではないだろうか。

松下、シャープなど18社をブルーレイディスクの特許侵害で米社が提訴
[2008/08/13]
 松下電器産業やシャープなどブルーレイディスクプレーヤー(Blu-Ray Disc player)を製造・販売する大手電機メーカー18社が、米国の特許ライセンス企業デジタル・セキュリティ・システムズ(Digital Security Systems:DDS)から特許侵害で提訴された。
 訴えられたのは、サムスン電子、デノン、船井電機、LG電子、松下電器産業、フィリップスエレクトロニクス、パイオニア、シャープ、ベストバイ、D&Mホールディングスなど。
 DDSは、同社が保有する暗号化に関する技術(米国特許番号6,052,780)をこれらの企業が侵害していると主張している。DDSは、侵害行為の差し止めと、損害賠償金を請求している。

それにしても、なぜソニーがいないのだろう。
すでに屈しているのだろうか。

無學童子
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