ヨコ書
漱石「こころ」太宰「人間失格」…ヨコ書きの文豪名作発売
夏目漱石や太宰治らの小説をヨコ書きにして単行本化した「名作文学」シリーズ(ゴマブックス)が発売され、人気を博している。
第1弾は、1日に発売された夏目漱石「こころ」と太宰治「人間失格」。若い人にケータイ小説を読む感覚で、名作を読んでもらおうという試みだ。
2作とも表紙は女優の写真で、活字は通常の黒色でなく、オレンジ色や若草色にしてカジュアル感を前面に出している。発売以来、計5万部以上を売り上げ、好調な出だしだ。
作品は昨年4月から、ゴマブックスの携帯電話サイトに掲載された小説60作で、人気の高かった2作を選んだ。掲載作品は、作者の死後50年が過ぎて著作権の切れた名作ばかり。「タテ書きでは読めなかった名作が、ヨコ書きなら読むことが出来た」といった感想も寄せられ、サイト全体で毎月1億回くらい見られており、出版に踏み切った。
タテをヨコにするだけといっても工夫が必要だった。改行だらけの現代のケータイ小説と違い、古典名作は行替えが少ないという読みにくさがあったためだ。そこで、字詰めや行間をゆったりとつくり、ルビを多用するなどして、読みやすさに配慮した。岩波書店で漱石全集を担当した元編集者で、漱石研究者の秋山豊さんは「ヨコ書きで情緒が失われることはない。結局は慣れの問題。漱石自身、メモをヨコ書きで書いていた」と話している。
第2弾は、芥川龍之介「蜘蛛の糸 他8編」など3冊を22日に発売する。
(2008年8月22日03時05分 読売新聞)
僕はこういうのは好きではないなぁ。
だってさ、これらの作品の著者は横書を想定していないもの。
「タテ書きでは読めなかった名作が、ヨコ書きなら読むことが出来た」
頭の出来が悪いんだよ、きっと。
文学的感性の低下が心配だ。
ま、まったく読まないよりは、横書でも読んだほうがましなのは分るんだが。
慣れの問題ではないと思うよ。それに、漱石のメモが横書だったところで、作品を横書で読むように書いたわけではないだろう。
秋山豊氏の発言は無神経だとさえ思う。
横書に、文学的な行間の美は無い。
ケータイ名作文学・こころ 上 (ケータイ名作文学)
ケータイ名作文学・こころ 下 (ケータイ名作文学)
ケータイ名作文学・坊っちゃん (ケータイ名作文学)
ケータイ名作文学・斜陽 (ケータイ名作文学)
ケータイ名作文学・人間失格 (ケータイ名作文学)
高校時代に漱石の小説を善一冊にまとめた本を読んだ。
岩波の古い全集の版型を基にしており、当然のことながら使用している文字はほとんどオリジナルのままの旧字。
ルビも無く当て字ばかり。
新字は分りやすいけれど、オリジナルの情緒は無いんだよ。
旧字で読んでよかった。
もちろん、スラスラとは読めなかったけどさ。