抱き合わせ
スタンリー・キューブリック コレクション (Blu-ray Disc)
日本の販売会社のこの腐りきった販売方法、どうにかしてほしい。
なぜ同時にバラ売りしない。
高いもんをたくさん売りたいのはわかるけど、ここまで露骨だと反発も受けるはず。
ある映画ソフトで高い利益を上げたいとしたら、高額な商品から順々に発売していくのが経済的に妥当な方法だ。
仮定
ある映画ソフトに2万円出してもよいと考える人 1,000人
1万円出してもよいと考える人 5,000人
5,000円出してもよいと考える人 25,000人
1,000円出してもよいと考える人 125,000人
次のように商品展開をする
・フィギュアと特典ディスクがついたスペシャル・コレクターズ・エディション 20,000円
・特典ディスクがついたコレクターズ・エディション 10,000円
・本編とメイキング映像が収録されたスタンダード・エディション 5,000円
・本編のみの廉価版 1,000円
ということは最大の売り上げが、
・スペシャル・コレクターズ・エディション 20,000,000円
・コレクターズ・エディション 50,000,000円
・スタンダード・エディション 125,000,000円
・廉価版 125,000,000円
総売上は320,000,000円となる。
この最大の売り上げを実現するためには、高い商品から発売しなければならない。
ここでいきなり1,000円のDVDを出しても、売り上げは156,000,000円にしかならないからだ。
買う人数は変わらないのに、売り上げは二倍以上の開きが出る。
ただし、気をつけなければならないのはユーザの反発である。
2万円出してもよいと考える人が、必ずしもフィギュアをほしい人とは限らない。
特典ディスク付きのコレクターズ・エディションで充分かもしれない。
そういう人にとっては、スペシャル・コレクターズ・エディションが先行で発売されて、コレクターズ・エディションが後に出ることを知らずに買ってしまった場合、コレクターズ・エディションが出たとたんに商品に対する満足度が急落する可能性が高い。
これはほかのエディションでも言えることで、こういった不満は作品の印象を悪くしかねない。
よりによって、スタンダード→コレクターズ→スペシャルの順で発売した場合、特典ディスクとフィギュアが欲しかった人は、同じ映画のソフトを3本買うことになる。
こうなると販売方法に対する不満はさらに増大するだろう。
だから、スペシャル・コレクターズ・エディション/コレクターズ・エディション/スタンダード・エディションは同時発売、廉価版だけ遅れて発売となるパターンが多いのだ。
私の手元にはStar Trekの映画のDVDがほぼ各作品につき2本、007映画のダイ・アナザー・デイがやはり2本あった。
これらの各作品は、スタンダード的なものを先に発売して、その後に特別版を出しているのだ。
必然的に、これらの販売会社に対する僕の不満は高い。
ビリー・ワイルダーのBOXセットも不満だ。
「シャーロック・ホームズの冒険 特別編」が欲しいだけなのに、当時バラ売りをしなかったから僕はこのBOXを買わざるを得なかった。
バラ売りされたのはこのセットが出てからかなりたってからのことである。
今回のスタンリー・キューブリック コレクションだって同じことだ。
ワーナーは当然ことながら最大の利益を上げることを考えて発売するのだからこのやり方は当然と思うのかもしれないが、販売会社に対して不満が出ることは必至な方法でもある。
商売としては上手かもしれないが、やはり腐っているとしか思えないのだ。