ホープレス
最近はじめて「ホープレス」という言葉を聞いた。
「希望なし」という意味だが、これは現代の若者の世相を表す言葉だ。
最近見たいろいろな統計や記事で感じたのは、若年世代に夢も希望も感じられないということ。
いい車に乗りたいとか、豪邸に住みたいとか考える人が減っているのだ。
人間にはそういった欲望があることが、あらゆることへの動機付けになる。
「仕方ない」というあきらめは、ある意味では大人の証かもしれないが、そう考えることによって、あらゆる行動の動機がなくなっていく。
資本主義社会というのは、人間の欲望を行動原理とする。
そして常に変化や成長をし続けなければ、現状維持できない。
停滞とは、衰退を意味する。
言葉をかえていえば欲望とは、夢であり希望であり、将来のビジョンである。
「こうなりたい」「こうありたい」とする明確なビジョンが描けなければ、それに到達するまでの道程は見えない。
「ホープレス」が広がっているということは、資本主義の危機である。
夢や希望に向かって、今日よりもよい明日を、明日よりも幸せな将来を目指せなければ、人間社会の進歩はないのだ。
みんながホープレスになったら、日本は崩壊だ。
さしあたって政治がやるべきことは、みんなが希望を持てる将来像を、絵空事でもよいから描くことだ。
「一生懸命働けばバラ色の未来が開ける」
みんなにそう思わせることが、今の不況を脱する最短ルートだと思う。
ちなみに僕の行動原理は、「物欲」である。
好きだから仕事をしているのではない。
お金が欲しいから仕事をしているのだ。
そしてなぜお金が欲しいのかといえば、ほしい物があるからだ。
僕は、消費は美徳であると信じてやまない。