まだらの紐
ロイロット医師役を怪演しているジェレミー・ケンプ。
どこかで聞き覚えのある名前だと思って検索してみたら、「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」に出ているらしい。ラインスドルフ男爵役だが、記憶にないなぁ。
ストーナー姉妹は義父のせいで若くして白髪なのだが、映像で見るとその異様さが際立つ。
ホームズの中でももっとも人気の高い作品のうちの一つで、子供向けアンソロジーにも必ず収録されるし、その場合は本の題名になることも多い、有名な作品だ。
それだけに、制作陣の気合いが伝わってくる感じがする。
ご存じの通り、沼毒蛇なんて存在しないが、そこをうまく映像化している。
この作品の主眼はシドニー・パジットの挿絵の忠実な具現化だが、サリー州へ行く途中の列車の中でワトスンと会話しているシーンや、蛇を見つけて鞭で叩くシーンなど、有名どころはきちんと押さえている。
トリックとしてはあり得ずに崩壊している作品だが、物語としての楽しみは全く失われていない。
うまく映像化したもんだね。
さて、ここからは全くの余談。
ジェレミー・ケンプつながりで「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」のスタッフ・キャストを見ていたらいろいろと面白かった。
まず、マイクロフト・ホームズ役はチャールズ・グレイ。グラナダ・シリーズでもマイクロフトだ。
このチャールズ・グレイは「007は二度死ぬ」でボンドに協力する在日オーストラリア人のヘンダーソン役、「007 ダイヤモンドは永遠に」でなく子も黙る超大物のブロフェルド役なのだ。
さて、僕の大好きな007つながりだと、プロダクション・デザイナーのケン・アダム。007の悪役の大がかりなアジトのデザインで有名。このほか、007制作陣が作った「チキ・チキ・バン・バン」でもプロダクション・デザイナーを務めている。
目立たないところだと、フレッダ役のアンナ・クェイル。「チキ・チキ・バン・バン」ではボンバースト伯爵夫人であった。
ホームズと007以外に僕が好きなのは、何度もふれているがスター・トレックシリーズ。
この点から忘れてはいけないのが、原作・脚本のニコラス・メイヤー。
なんと言ってもこの人は、映画版「ST2 カーンの逆襲」で監督、「ST4 故郷への長い道」で脚本、「ST6 未知の世界」で監督と脚本をやっているのだ。
個人的な趣味の話で申し訳ないが、これだけつながりが分かるとなんだか妙な親近感がわいてくる。
近いうち、もう一度見るとしよう。
それにしてもこの作品、DVD化されないねぇ。