図書館【追記あり】

図書館で借りたい本が「数百人待ち」の状況について
2009年9月3日

読みたい本、たくさんありますよね。
世の中には「一応読んでおこうと思うけど、買いたくはない」という本が、けっこうある。

そんなとき、「図書館で借りる」「ブックオフなどで探す」という人は多いと思うが、これが人気作家の新刊ともなると、図書館で100人以上待ちの事態にガックリ……というのも、また多いパターンだ。

実際、自分などはちょこちょこ図書館に行くにもかかわらず、2?3年間ずっと待ち続けている本がある。
「買えば良いのに」という人もいるだろう。でも、「買いたい本」はやっぱり別であり、そのうちに「読まなくても良い本」になってしまうこともある。

ところで、図書館で何百人、何十人待ちになる本を見るたび、不思議に思うのは、「一番乗りで借りるのはどんな人なのか」「ベストセラーの本は何冊くらい入れているのか」ということ。
そこで、一例として、ある区立図書館に、爆発的ヒットを続ける村上春樹の新作小説『1Q84』(新潮社)について聞いてみると……。
「『1』のほうの予約は現在、589件。『2』のほうは521件となっております」
!! で、図書館には何冊あるんでしょうか?
「区内全体で21冊分となります」
……気の遠くなるような混雑状況だ。

こういった人気の本を1番で借りる人が、どうしているのかというと……。
「図書館にある『リクエストカード』に、情報を得た段階で記入して、カウンターに持ってくる方が多いです。早い方は新聞やインターネットで情報を得た段階に予約されますよ」
自分の場合、「新聞やネットで情報を得た瞬間に読みたいと思う本=買う本」ということも多いので、その発想がなかった。なるほど。そうやっていたのか。

ところで、何冊入れるかは、どう決まっているのか。社団法人日本図書館協会理事・事務局次長の常世田良さんに聞いてみたところ、こんな回答があった。
「図書館に関しては、市町村の教育委員会が方針を決め、自治体が100%決められるもの。国でもなく、まして図書館協会でもなく、それぞれの図書館が決められるので、何冊入れるかは図書館次第なんですよ」
そのため、「ニーズがいくらあっても購入しない」図書館もあれば、「リクエストが5件あると買い足し」などと決められている図書館もあるという。

さらに、「予約何百人待ち」となる状況については、こんな苦言が。
「借りようと思っても借りられないというのは、本来おかしなこと。税金を払っている人たちが、税金の使われ方に対してもっと関心を持つべきで、図書館についても、人気のある本をもっとちゃんと貸すように文句を言うべきなんですよ」

アメリカでは、税金ベースで日本の10倍ものお金を図書館に使っているそうで、「自分の街の図書館」に対する意識が全く違うのだという。

図書館で人気の本をいち早く借りる方法を考えるより、図書館のあり方、図書館との付き合い方を、一度考える必要があるのかもしれません。
(田幸和歌子)

何度か書いたような気がするけど、社会人になってから図書館に行かなくなってしまった。
もともと蒐書家なんで、読みたいと思った本は必ず買うって言うのもあるし、逆に買いたくならない本は僕にとって読む価値がないと思っているから、図書館に近寄らないのも当然かもしれない。

ただそれだけではなくて、僕が図書館に要求するレベルが高いというのもあるかもしれない。
諸橋徹次の大漢和辞典なんてあるのが当たり前。国史大辞典も当然あるべきだし、群書類従・続群書類従や古事類苑だって当然あるべき。
戦史叢書もあるべきだろう。

結局市立図書館レベルでは無理な話で、自然と足は遠のく。

僕が市立図書館の運営者でなくて良かった。
ベストセラーとか一切購入しないだろう。きっと古典籍ばかりになって利用者は激減だろうさ。


個人的には、何千人の待ちが出ようが大量に購入する必要はないと思う。
文中にある『1Q84』でしたら、定価1,890円×2冊、計3,780円。
この程度の支出を負担できない世帯って、日本にどの程度あるのだろうか。
「私は村上春樹のファンです。いつも図書館で読んでいます。」なんて、著者の印税収入にほとんど貢献しない訳で、そんなのは私はファンとは言えないと思う。
そういう意味でも図書館は必ずしも「ニーズ」に答える必要は無いだろう。

電子的な本が本格的に普及した場合、こういった問題はある程度緩和されると見られる。
「ダウンロード購入」や「期間限定ダウンロード購入」は当然印刷の制限を受けないわけで、紙の本を買うより安い価格でいつでも購入できたり、期間限定の疑似レンタルでもっと安い価格で読めたり。
そうすれば、レンタルでの人気が著者の収入に結びつく。

僕としては、図書館はとうてい個人では購入できないような高価な本や、貴重な図書を収集していただきたい。

無學童子
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