ホームズと紅茶
腐れシャーロッキアンの腐れたる所以は、研究なんぞそっちのけでモノ集めにはまっているから。
ひたすら物欲の道を突き進んでいるわけだが、これは別にホームズに限ったことではない。
今DVDラックを見る限り、鬼平と007とスター・トレックは全シリーズ揃っているし、本棚を見ると江戸川乱歩をはじめ、全集が勢ぞろい。
アリスの人形やらバック・トゥ・ザ・フューチャーのポスターやら、モノであふれている。
今はやめてしまったけど、交通関係の切手もかなりの数集めた。
これはきっと僕の性格だ。
ホームズ好きではなかったら、別のものを集めていたんだろうなと思う。
ホームズが好きでコレクターになったのではなく、きっとコレクターがホームズ好きになったのだろう。
さて、前置きが長くなったけど、コレクター的な意味合いではない趣味の筆頭が紅茶だ。
コレクションもできないことはないが、数十年前の紅茶など怖いだけだ(笑)
100年前の未開封紅茶とかがあれば興味はあるけれど。
単に「美味しいから飲む」という本来の目的が昇華して僕の趣味になった稀有の例だ。
クッキーを食べながら、薫り高い紅茶をおいしく淹れて飲むのは至福である。
紅茶といえばイギリスで、ホームズもイギリスだったりするわけだが、なぜか僕の頭の中でホームズと紅茶は結びつかない。
ホームズといえばどちらかというコーヒーというイメージが強い。
精力的にに働くホームズにティータイムは不似合いだし、気力がないときにはコカインというイメージ。
『シャーロック・ホームズ大博覧会』あたりで「ホームズと紅茶」なんて載っていそうだが、実際に調べたらなかったよ(笑)
(ただし「ホームズとコーヒー」はある)
じゃあ、ホームズがお茶を飲んでいる描写がないかというと、そんなことはない。
アベ農園、ギリシャ語通訳、海軍条約文書事件、ボスコム谷の惨劇でも飲んでいる描写がある。
グラナダテレビのホームズでは、メイドが茶セットを盆にのせて運んでいるシーンがかなりある。
ホームズの時代ではすでに紅茶は一般的な飲み物で、上流階級から一般庶民まで愛されていたが、実は19世紀半ばくらいまでは、コーヒーの消費量の方が多かった。
1840年代のロンドンには、2000軒を超えるコーヒーハウスがあり、イギリス人の年間紅茶消費量が650グラムなのに対し、コーヒーは800グラムだったそうである。
その後、インドやセイロンからの紅茶輸入が増えたこと、質の悪いコーヒーが出回ったことで紅茶の消費量が劇的に増えている。
現在のイギリス人の年間紅茶消費量は2.6キログラムだそうだが、それに対して日本人は100グラム程度とのこと。
100グラムはどのくらいかというと、缶入りの茶葉一缶程度。だいたい30杯分くらい。
ちなみ僕はというと、2キログラムくらいかな。
家にいる間はそれこそ湯水のごとく飲む。
紅茶を飲まないのは寝ているときとビールを飲んでいるとき以外ぐらいだ。