チキンレース
いや、ビーフレースの間違いだろう。
たまたま金曜夜に、駅前の吉野家に入ろうと思ったら満席だった。
牛丼なんて待ってまで食うもんじゃない。近くの松屋に移動して定食を食べた。
ふと目の前を見ると、大きなポスターに12日からの予告ということで「牛めし70円引き 250円」とあった。
四月にキャンペーンをやるのは理にかなっている。
こういった店は習慣的なものがあり、行きなれている店に行く傾向が高い。
近くの駅前には3店舗ともあるが、僕が行くのは松屋と吉野家だけで、すき家には行かない。
新生活を始めた人に、リピーターになってもらうためなのだ。
それにしてもこれは不毛だ。
僕の中では安売り競争は最低の愚策と思う。
基本的には、他社との差別化を図ってなるべく高い単価で売るべきなのだ。
値下げは確かに消費者にはありがたいが、カットしたコストの行く先によっては、結局デフレ不況を推進して消費者に直撃することになりかねない。
さて、もしもこのまま競争が激化していったら、勝者はどこになるのだろう?
たぶん、すき家だ。
各店のメニュー構成を比較すると、引用した記事にあるとおり吉野家は極端にサイドメニューが少ないので、値下げ減収をサイドメニューで補うことができない。
その上コストの高い牛肉を使っている。
対してすき家と松屋の場合、サイドメニューが豊富なのと、牛丼以外のメニューが豊富。
この二社のもっとも大きな違いは、松屋が単独なのに対し、すき家を率いるゼンショーは他の外食業態を多数持っている。
たとえば、牛丼店なら牛肉でも牛丼に適した部位しか買わないが、他業態を持っている場合牛一頭丸ごと買って、それぞれの業態に必要な部分を分配することができる。
特定の部位しか買わないのと、一頭丸ごと買うのではコストがずいぶん違うはず。
ま、ゼンショーの店舗で果たしてそれができるのかはわからないけど、牛丼の客層とかぶらない他業態を持ってると収益構造が強くなるのは間違いない。