製品の事後改変
未完成の続き?
最近の製品は、ユーザの手に渡ってからのアップデートが多いと思う。
PCソフトや周辺機器はもちろん、ゲーム機や携帯電話まで。
ハード的な異常であっても制御するソフトさえ改善すれば解決することも多いのかもしれない。
製品のリリースサイクルが短くなってくると、十分なバグ取りの時間がとれないから、こういったことが増えてくるのは仕方ないのかもしれない。
でもそういったこと以上に気になるのが、メーカーの手を離れた製品でも、メーカーが関わり続けられるという事実である。
洗濯機は洗濯をする機械であり、基本的にそれだけで完結している。
テレビはテレビ電波を受信する機械だから、それだけで完結しているとは言い難いが、テレビ局やメーカーの意図によってテレビの機能が変わることはない。
では、携帯電話ならどうだろう。
ケータイアップデートは使用者が意図的に実行しないとかからないが、事業者が特定の端末の通信を遮断できる以上、「アップデートしないと通信できません」ということが可能になる。
あるいは、ユーザの意図とは関係なしに強制アップデートができるかもしれない。
普通に考えればそういったことは行われないだろうし、あったとしても致命的バグが見つかった場合だけだろう。
だが、こんな場合はどうか。
ある携帯電話会社が革新的な機能を導入した。
その機能が大ヒット。
ところが、別の会社からその携帯電話会社が「特許侵害」で訴えられ敗北。
判決は「機能を停止すること」。
ということで、対象となる携帯電話のファームウェアが強制的に書き換えられ、特許侵害の機能が無効になった。
携帯電話のサービスではないが、実際にアメリカでは映像配信機器のサービスでそういったことがあったはず。
うろ覚えだが。
iPhoneのようなアプライアンスでも、そういったことは十分に起こりうる。
それを行うのはAppleかもしれないし、携帯電話会社かもしれない。
通話記録、メールの記録、位置情報などを抜き出したり、場合によっては搭載のカメラを勝手に起動させることもできるかもしれない。
PCと違って、iPhoneなどの管理されたアプライアンスは使い勝手はよいが、こんな危険も潜んでいるのだ。
もしかすると「1984年」よりも、怖い世界の下準備ができつつあるのかもしれない。