家族の絆
生きていれば111歳の男性が、実は30年前になくなっていたという件を受けて、全国で100歳以上のお年寄りの所在確認をしているそうだが、その結果相当数の行方不明者が出ている。
大阪では育児放棄した母親のアパートで、子供ふたりが遺体となって発見された。
信じられないようなことばかり起こっている。
どちらにも共通するのは、人間関係の希薄さだ。
近所では異常事態に気づいていたはずなのに、結局今まで発覚しなかった。
社会がこうなってしまった以上、これを防ぐ手立ては行政の権限強化しかないと思う。
児童相談所にしろ役所にしろ、少しでも怪しいと思ったことについては徹底的に立ち入る権限を持たせた方がよい時代なのかもしれない。
悲しいことではあるのだが。
地域社会の復興を唱える人もいるが、それは並大抵のことではないだろう。
たとえば我が身を見れば、地域の町内会に参加するのはいやである。
ふたりでフルタイムで働いている状況では地域の活動に参加は出来ないし、休みの日に参加する気力もない。
しかも今はアパート暮らしで、この地域に根を下ろすつもりは毛頭ない。
自分すらそんな考えを持っているのに、他人に対して期待することなんか出来ないじゃないか。
「これでは日本はいけない」と思いつつ、自分の行動は伴えないのが悲しい。
そういえば先日、上の階のご家族が突然挨拶に来られた。
子供がうるさくて迷惑をかけて申し訳ないと、菓子折を持って。
迷惑なんてとんでもない。
子供はうるさくて当然。
「気になりませんよ。元気なお子さんでよいじゃないですか」と言ってあげた。
こうして挨拶にきてもらうと悪い気はしない。
これでもう、多少のことでは文句をつける気にはならない。