リーダーシップ
「首相がリーダーシップ」26項目演説、仙谷官房長官
2010年12月17日 13:0015分間の大演説
15日の会見で、首相がリーダーシップを発揮した事案について記者に質問され、即答できなかった仙谷官房長官は、16日の会見で首相がリーダーシップを発揮した事案について26項目を挙げ15分にわたり演説を行いました。国の出先機関の事務・権限の整理、縮小と一括交付金は高い評価を受けており、国の形を変える大きなものであると仙谷官房長官は強調しました。
さらに、「新しい公共」に関して、税制改正によってNPO等への寄付を50%税額控除する市民公益税を創設したことを挙げ、「これよって仮に1兆円が税額控除される事態となれば日本は確実に変わる」としました。
民主党によると、他の主な項目は次の通り
沖縄訪問、諫早湾干拓潮受け堤防排水門の開門調査、法人税減税5%、三段構えの景気対策、新成長戦略実現会議の設置、「社会保障改革の推進について」の閣議決定、口蹄疫への資源投入と封じ込め成功、新卒者の雇用・就職支援、硫黄島の遺骨収集、待機児童対策、羽田のオープンスカイ、韓国併合100年の総理談話、横浜ビジョン、TPPの検討と食と 農林漁業再生推進本部設置、生物多様性名古屋会議の成功、アフガン支援、イランへの効果的な制裁。
と26項目について、首相のリーダーシップによって実現したとされるものが発表されました。口蹄疫問題や景気対策など、政府として対処するのが当たり前のものから、菅首相以前から政策として実行さえてきたのものなど、果たして首相のリーダーシップと言えるのか疑問な項目が多く見受けられます。
官房長官があえて「リーダーシップ」を列挙しなきゃいけないくらい、この政権はやばいと言うことか。
内閣はそれなりに権限は強いので、決定しなきゃならないことは山ほどある。
それをいちいち自分で決断していたら身が持たない。
だから、大きな方針だけ示して詰めは各大臣にやらせるというのが普通で、それをコントロールする力をリーダーシップという。
各大臣が従ってくれなきゃリーダーシップなんか発揮できない。
各大臣は形式上は菅直人が指名しているが、でも実際にその人を大臣にしているのは菅直人じゃなくてどこかの親分的政治家であることがっほとんど。
そのあたりは自民党も民主党も変わりない。
総理がリーダーシップを発揮できるのは、その人自身に本当に強い権力基盤がないとできない。
それをできたのは近年では小泉純一郎だけのような気がする。
派閥の支持に頼らず、圧倒的な支持率の高さを背景に総理となった。
だから派閥に気兼ねなく大臣を指名することができた。
小泉内閣の大臣は、小泉純一郎自身が決めたのだから、当然小泉総理に対して忠誠を誓っている。
だからこそ、あの人はリーダーシップを発揮できたのだ。
絶対的な支持基盤を持たない菅直人にリーダーシップを期待するのはそもそも無理な話なのである。
自民党も主流派と非主流派に分かれることが常であったが、今の非主流派たる小沢グループはでかすぎるのだ。
「反小沢」なんて現実的ではない。せいぜい「遠小沢」程度に留めて置くべきだろう。
小沢氏のクビを野党に差し出したところで、今更支持率が回復するとも思えない。
党としては基本的には小沢氏を守るような対応にしておかないと、後々大変なことになるだろう。
それで国会がたち行かなくなるようなら、全部を野党の責任と思われるようなパフォーマンスを打てばよい。
放送の許認可を持っているのは政府だよ?
そういえば、岡田幹事長が小沢氏と会談して、やはり平行線に終わったそうだが、菅代表との会談の約束は取り付けたようだ。
来週早々に実現とか。
この会談で小沢氏が政倫審の参加を決断するか、それにかわるようなことに合意して前進すれば、「菅総理のリーダーシップが発揮された」と言うことになるのだろう。
なんだか、そこが落としどころのような気がしてきた。