不完全電子化計画 その1
夏に富士通のScanSnap FI-S1500を導入してからずっと考えていたことがある。
それは、自分の持っている本の電子化である。
本の購入費用が月によっては万を超えることもある僕にとって、スペースの確保は切実な問題である。
最近流行の自炊をして、元の本を処分してしまえばかなりのスペースの節約になるはず。
ドキュメントスキャナはもう手元にあるから、ITmediaの記事にある二種の神器のうち高いものはすでに持っていることになる。
ハードルはそう高くはない。
問題は、PDFを閲覧するためのハードウェアだ。
実際のところ、PDFを閲覧するためのハードは持っている。
メインPCとNetWalkerだ。
だが、PCの画面で本を読む気になれるだろうか?
もし僕にその気があるのなら、パブリやパピレスでもっと本を買って読んでいただろうし、青空文庫をもっと活用していただろう。
出も実際にはそうしなかった。パブリやパピレスを利用したのは、電子書籍を試してみようという気持ちはあったけれど、実際にはホームズ物語の日本語テキストを手に入れるためだったし、青空文庫を利用したのも古典的作品を正確に引用したいためだったから、決して読むために使ったのではないのだ。
NetWalkerを導入した目的の一つに「電子書籍を試してみる」と言うのがあったが、実際には失敗だったと思っている。
電子書籍のリーダソフトの操作性も悪くないし、シャープ提供の書籍販売サイトもそれなりに使いやすくはあったが、決定的にいけなかったのが、目が疲れると言うことだ。
バックライトのある液晶画面はきれいだけれど、長時間活字を読むようなことには全く不向きだと言うことを痛感した。
そうなると、現実的な選択肢は電子ペーパー採用のリーダーしかない。
この検討を始めた頃、そういったデバイスはAmazonのKindleかSonyのReaderしかなかった。
東京国際ブックフェアでKindleなどの端末を見て、画面に関しては非常によい感触だったのだが、導入しなかったのは日本で展開していなかったからだ。
それでもKindleの国際版は魅力的で何度もポチッとクリックしそうになったが、結局そうしなかった。
iPad騒動で日本でも電子書籍の市場が近いうちに立ち上がりそうな感じを受けたからだ。
日本メーカーからハードウェアが出てくれれば申し分ない。
PDF閲覧の用途に加え、電子書籍まで見ることができれば良いじゃないか。
そんなわけで、SonyのReaderの日本国内版の発売を、実は密かに待っていたのである。
でも、本当に待っていたのはKindleの日本版なのだが。。。
なお、この自炊計画に「不完全」と冠したのには訳がある。
基本的に僕は書籍のコレクターでもあって、コレクションのために持っている書籍を裁断して電子化することなんてとうてい考えられないからだ。
やるなら、同じ本を二冊買って片方を自炊に、もう片方を保存用にするだろう。
そんなわけで、この項しばらく続く。