家電製品の選び方 0
家電製品などについて仕事上得た知識を備忘録的に残しておこうと思う。
ネットを検索すると色々な「家電製品の選び方」が出てくるけれど、ここは具体的な機能や製品よりも、一本筋の通った考え方を示したいと思う。
これから色々紹介していくけれど、今回はあらゆる製品の選び方について通じる基本を、僕なりに示したい。
・目的を明確にする
当たり前のことのように思えるけれど、これができる人はなかなかいない。家電製品を買おうと思っている人はたいていの場合、自分の身に降かかっている困っていることを解決しようとしているはずだ。
「電子レンジが欲しい」と思うからには、自分なりに何か目的があるはずだ。勘違いして欲しくないのは、電子レンジを買うことが目的ではないと言うこと。古い電子レンジが壊れたという理由であったとしても、その古い電子レンジが担っていた目的があったはずだ。
目的を明確にしないまま販売店に行くと、販売員に「これも出来ますよ、あれも出来ますよ」と無駄な機能の多い高級機種をすすめられてうっかり買ってしまい後で後悔することになる。
あなたが腕時計が欲しいのだと仮定して欲しい。選ぶ時計はショーケースの中のものなのか、それともブリスターパックに入ってぶら下がっている980円のもののどちらなのだろうか。
「正確な時間が知りたい」のが目的ならブリスターパックで問題ないだろうが、ファッション性やステータスシンボルを求めているのならショーケースに入っているものを選ぶのが一般的には正解なのではないだろうか。正確な時間が知りたいだけなのに機械式の高級時計を買うのはミスマッチだ。
・正しい情報を入手する
メーカーや販売店と消費者には、そもそも情報の非対称性の問題がある。カタログや店頭の展開には当然のことながら都合の良いことしか書いていない。
例えばルータのスペック表には「規格上の最大の理論値です」等と書いてある。消費者が求めるのは実効速度なのに。
全く同じスペックなのに値段が倍も違う商品もあったりする。在庫処分とかの理由でないとすると、スペック表に現れない差がある。特にPCの場合、部品の信頼性で大きく価格が違うことがある。
カタログやPOPなどで謳われる「業界ナンバーワン」「世界最小最軽量」「世界最速」「売上げ第一位」も真に受けてはいけない。そういった文句のそばには、読めないほど小さい字で注釈が付いているはずだ。その注釈に「○年○月現在 当社調べ」とあるならまだ良い方だ。「○年○月現在 同等クラス内において 当社調べ」なんて、一般消費者がわかるわけがないではないか。
こういった具合に印象操作をすることは日常茶飯事なこと。家電製品ではないけれどアンファの「スカルプD」を発毛効果のあるシャンプーだと思っている人が多い。ところが、メーカーの公式サイトやCMを注意深く見ても、どこにも発毛や育毛の効果は謳っていない。あたかも発毛効果があるかのような表現はちりばめられているけれど。
消費者が情報入手に不利な中でネットの口コミ情報は大変有益だが、ネット上の投稿の内容が正しいという保証はない。あなたがもしも「ステルスマーケティング」という言葉の意味を知らないのなら、ネットの口コミ情報は見ない方が良い。
・商品の本質を理解する
その商品が何のために作られたのか、どういった理由で開発されたのかを知らなければ、後悔しない買い物をするのは難しい。
電子レンジはそもそも何をするための道具なのか、洗濯機は、エアコンは、アイロンは。。。。。
電子レンジは水分を含んだ食品を電磁波により加熱する道具。エアコンには加湿・除湿機能が付いているものもあるがそもそも冷暖房がメイン。アイロンは熱と自重により布のしわを伸ばす道具。
こういう本質を踏まえていると、一見良さそうに見える商品が実は大間違いだと言うことに気づくことがある。
詰まるところ家電製品の選び方の本質とは、自分にとっての目的を明確にし、ぶれない事なのだ。