電子新聞
訳あってしばらく紙の新聞を取っていたのだが、それも終わって日経の電子版に戻した。
つくづく思ったのは、やはり新聞は電子であるべきだ、ということ。
特に日経の電子版はよく出来ていて、ほぼテキストだけでも読めるし紙面ビューワもある。
特定のキーワードで記事を集めることも出来るので、知りたい情報の取りこぼしが少ない。
そもそも新聞は何のために読むかと言えば、最新の情報を知るためだ。
情報を知りたいだけならWebでもテレビのニュースでも良いのだが、最新の情報を分かり易く編集・パッケージ化している点は新聞に一日の長がある。
紙面はレイアウトそのものに意味があるから、テキストだけでは魅力は半減してしまう。
その点紙面を再現できるツールがあれば、紙版の魅力をそのまま電子でも堪能できる。
こんなことを書くと「紙の新聞の魅力はそう言う物じゃない」と反論されそうだが、とにかく僕はそう思う。
同じことは音楽や電子書籍にも言える。
「レコードの魅力はジャケットなんだ」とよく聞くが、そもそもレコードは音を記録して持ち運べるようにしたもので、ジャケットはその付属品に過ぎず、商品の本質ではない。音楽の本質は音なのであって、それ以外の物はすべて付属品だ。
「紙の手触りとインクのにおいが良い」とも言うけれど、書籍もコンテンツの部分を除けばそれはすべてただの付属品だ。
もちろん、魅力ある付属品があることによってコンテンツの価値が上がるということもあるわけだから、レコードやCD、紙の書籍を否定するものでは無い。
だから、僕はKindleで出ている本を紙で買うこともあるし、iTunesでかえる楽曲をCDで買うこともある。
でも蒐書家の僕だって集めている本より読み捨てている方が多いし、音だけ聞ければ良いという方が多い。
そう言う場合は、誰がなんと言おうとデジタルは便利なのだ。
弱点があるとすればそのデータを再生する機械とソフトの方で、電子書籍が紙の書籍に及ばないと言われる部分の大部分はその点にある。
そういった弱点は徐々に解消されてきているし、それ以外のほとんどの部分では紙やレコード以上の利便性が高いというのが事実だと思う。
「電子なんて訳のわからない物は嫌だ」なんて言うのは本質を見失ったただの思考停止だ。