日本海大海戦 海ゆかば
「日本海大海戦 海ゆかば」は、10年くらい前にDVDを買ってみた。
日本海海戦を扱った映画としては本作より14年前の「日本海大海戦」があり、東郷平八郎役は同じ三船敏郎である。
14年前、1969年の「日本海大海戦」は東郷平八郎その人と、日露戦争全体を描いた物であるのに対し、本作は、戦艦三笠の一乗務員の視点から、日本海軍の奮闘と、戦争の悲惨さを描いた物であると言える。
結論から言うと、かなり残念な作品。
戦争の悲惨さを強調したいためか、下々の視線で描かれているのだが、戦争の流れをやたらと省いているし、なにより主演の沖田浩之と三原じゅん子の絡みがあまりにもしつこい。
軍楽隊に着目したのは良いけれど、その点があまりにも史実とかけ離れている上、サウンドトラックがかなり不出来。
戦闘シーンは前作に比べてリアルなのは良いが、被害ばかり強調してまるで日本が負けたかのような感じ。
史実としては三笠に被害が集中しているので正しいが、金貸しの水兵のエピソードなど必要だろうか?
近代史や戦史に詳しい人であれば分かるであろうが、日露戦争全体の流れや日本海海戦の流れが説明不足でわかりにくい。特に海戦では、三笠以外の艦の動きが皆目分からず、まるで三笠だけが戦っているかのような印象。
69年の映画があまりにもよく出来ているので、この落差は酷いと感じるだろう。
☆☆★★★
とはいえ、三船敏郎は渋いし沖田浩之は格好良いし三原じゅん子は美人。
画像引用元 映画.com