二百三高地
「二百三高地」は1980年の映画。
これね、世間の評価はとても高い。
確かに見応えのある大作で、そして名作なんだろう。
この映画には主人公が二人いる。
一人は旅順攻防作戦で第三軍を指揮した乃木希典大将。
乃木大将を中心に、日露戦争の全貌が描かれる。
もう一人は架空の人物で、小学校の教師をやっている予備役少尉の小賀武志。
彼の視点から、過酷な戦場の現実が描かれる。
この映画は「東映戦争三部作」の最初の作品。
「日本海大海戦 海ゆかば」を酷評したのは、戦争あるいは海戦の全体像が全く分からない上、沖田浩之と三原じゅん子があまりにもベタベタに描かれていたからだ。
その点この映画はバランスが良く、戦争の全体像が良く分かる上、それぞれの主人公の状況がよく描かれている。
しかしながら、乃木大将の描き方には極めて強い不満がある。
軍神と祭り上げられているが、堅固な要塞を真正面から貧弱な武装で突っ込んで行き、死屍累々。
息子二人も亡くしている。
結局、ただの無能な将軍な訳だが、あまりにも綺麗すぎる描かれ方をしている。
乃木将軍が無能であったこともあって、戦闘シーンは苛烈で悲惨。
現在の日本があるのは、このような先人達の努力があったのだよ、と言うことを知って欲しいので、ぜひ観て頂きたい一作。
とはいえ、僕が好きなのはもっと痛快な作品なんだよね。
☆☆☆★★
画像引用元 映画.com
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