サットン
ニルギリの新茶の季節。
何種類か買ったうち、「サットン(SUTTON)」というのを飲んだ。
癖の少ない紅茶で、非常に飲みやすくておいしい。
その代わり、何か僕には物足りないかな。
それにしても、なんか「サットン」という言葉に聞き覚えがある。
夜中に「サットーン、サットーン」と不気味な声で呼びかけられて、おびえる太った男という映像が思い浮かぶ。
おおそうだ、「入院患者」だ。
不気味な映像は、グラナダのテレビシリーズだ、と思い当たる。
早速DVDをチェック。そしてそのまま見てしまう。
夜中なのにねぇ。
それにしてもひどい事件だね。
自業自得とはいえ、被害者を出してしまうし、犯人は取り逃がす。
つかまったのは逃げたボーイだけ。
映像的には、ホームズの調査の部分の描写が細かくてよいかな。
冒頭での床屋のシーンと、エンディングで、この事件が「入院患者」と命名されるところが好き。
エンディングは、ホームズに「入院患者が良い」といわれて、メモしてあった当初の題名に二重線、次に書いたものも消して、最後に「入院患者」と書く。その過程で苦々しい表情だったワトスンが、だんだん納得したのか「いい題名じゃないか」的にうなずいて終わる。
作品そのものは好きではないけど、グラナダのこの回は結構見所があるなと、改めて思った。
なお、下記はネタばれにつき注意。
なぜ紅茶の「サットン(SUTTON)」からホームズの「入院患者」を思い出したか。
それは、依頼してきたトレヴェリアン医師のスポンサーで、トレヴェリアンの医院に入院患者という形で住んでいたブレッシントンの本名が「SUTTON」だったから。
なんと、紅茶と綴りまで一緒なのだ。