3児事故死:被告側も控訴「懲役7年6月重すぎ不当」
福岡3児事故死:被告側も控訴「懲役7年6月重すぎ不当」
福岡市東区の「海の中道大橋」で06年8月に起きた3児死亡事故で、元市職員の今林大(ふとし)被告(23)側は22日、業務上過失致死傷罪とひき逃げを併合した上限の懲役7年6月(求刑・懲役25年)を言い渡した8日の福岡地裁判決を「重すぎて不当」として福岡高裁に控訴した。
検察側も控訴しており、検察側が求める危険運転致死傷罪適用の是非や量刑を中心に2審の審理が行われる。
被告側は「深酔い状態ではなかった」として危険運転致死傷罪ではなく、業務上過失致死傷罪の適用を主張。自首による減軽を求め「反省しており、社会的制裁も受けた」などと執行猶予付き判決を求めていた。2審でも同様の主張をするとみられる。
今林被告の弁護人、春山九州男弁護士は「(被害車両は)追突後、約40メートル走って落下するまでブレーキやハンドル操作をしていない。事故の態様を分析し、適正な責任の配分を求めたい」とのコメントを出した。
被害者の大上哲央(あきお)さん(34)、かおりさん(31)夫妻は「全く信じられない気持ちです。懲役7年6月が重すぎると考えているのであれば、3人の死に対して責任を全く感じていないのではないかと思われる。控訴は不愉快に思います」とコメントした。【石川淳一、和田武士】
毎日新聞 2008年1月22日 20時22分
この記事について、mixiでは炎上ともいえるコメント量。
「殺人犯がなめたことするな」とか「7年でも軽すぎるのに」という意見が大半。
そのなかで、ある人が書いていた「裁判の制度上の問題」という意見は非常にまっとうだった。
勝手に引用するわけにもいかないのでかいつまんで説明すると、
春山九州男弁護士は「(被害車両は)追突後、約40メートル走って落下するまでブレーキやハンドル操作をしていない。事故の態様を分析し、適正な責任の配分を求めたい」
ということから、つまり
「被害者側も居眠り運転などの落ち度があり、正常な状態であれば死亡事故までにはならなかった可能性がある」という主張なわけだ。
で、このまま控訴しないでほうっておくと、控訴審では検察側の酵素理由である「酒気帯びか酒酔いか」という部分しか、審理されないということになる。
だから、被告側も控訴せざるを得なかった、ということ。
なるほど。これは面白い。
何にせよ、被告人がずうずうしいかどうかは別として、この裁判の判決は、被告側の主張を退けているわけで、そういう意味でも控訴するのは当然だといえる。
世間的な印象が悪いのは否めないが、裁判でまともな判決を得るために、今回の弁護士がきちんと被告の側に立って、被告の利益のためにがんばっているということは十分読み取れるのではないか。