殺人自転車
会社からの帰宅途中、駅から自宅までの徒歩十数分間で、十数台の自転車を見かけたが、灯火運転していたのはわずか2台だった。
おまけに無灯火運転の何台かは、携帯電話でおしゃべりをしながらの運転だった。
昨日、近所のスーパーで買い物をして自転車で帰る途中、交差点で自転車が目の前に飛び出してきて、急ブレーキをかけた。
五十代くらいの女性だったように思うが、私の急ブレーキにかまわず、そのまま何事もなかったかのように行ってしまった。
信号はこちらが青で、私は灯火運転、向こうは無灯火運転、明らかに信号無視だ。
私は自転車の運転にはそれなりに自信がある。
車道ではいつもかなりのスピードで走っているし、片手・両手離しはもちろん、路面のラインの上をまったくはみ出さずに運転することも出来る。
それでも、日が落ちてからの無灯火運転はしないし、車道を走る際、車の死角に入ることも避けている。
自転車の通れない歩道を走ることもない。
携帯電話で話しながらとか、信号無視なんてもってのほかである。
自転車は弱者だと思いがちだが、歩行者から見れば危険極まりない強者だ。何しろ自転車は「軽車両」なのだ。
そして、始末の悪いことに、保険がない。
自転車に乗る人は、自分の身を守るために、もっと安全運転を心がけるべきだ。
「自分の身を守る」というのは、自分が怪我をしない、ということだけではない。
相手にも怪我をさせないということだ。
打ち所が悪ければたとえ自転車でも、歩行者を殺すことが出来る。
保険のある自動車での事故ならまだしも、まったく保険のない自転車で人を殺してしまったら、自分は怪我をしていなくても、残りの人生お先真っ暗というほかない。
相手を殺すくらいだったら、自分が死んだほうがまし、なんてことになりかねないのだ。
自己中で「関係ない」なんてしらばっくれる人もいるだろうが、自己中心に考えても自転車の無謀運転は、自分にとって損である。