続々・鉄道マニアでもないのに鉄道の本を読んだ
これだけ読んでいれば、そろそろ鉄道マニアといってもいいんではなかろうか(笑)
著者はJR東日本副社長、会長をつとめた人物である。
本書はイギリスではじめて起きた鉄道事故から、以後各国で起きた事故を事例に、その原因と、結果としてとられた安全対策についてまとめたものである。
本書を読めば、かろうじて「走らせる」ことに精一杯で安全など二の次であった時代から、技術が進歩して高速でたくさんの列車を走らせるようになった時代にいたり、それとあわせて事故が増え、さらなる安全対策が求められるようになってきたことがわかる。
本書を読んでつくづく考えさせられたのは、著者が「JR東日本」のトップであったということだ。民営化後、適切な投資を行ってきたため、JR東日本においては、国鉄時代に比較して事故が激減している。
本書の終わりに、「つまるところ安全は、トップマネジメントの問題なのである」とあった。
もしこの人物が、西のトップであったら、あの事故はなかったのではないかと思う。
あの事故の際、西の安全対策の費用が、東に比べて極端に少ないという報道があったが、改めて、妙に納得してしまった。