小さな政府
選挙が近いので政治ネタを。
僕の立場は、単純にくくるつもりはないにしても、概ね新保守主義者である。
サッチャーやレーガンがすすめた政策に考え方が近い。
日本だと中曽根さんや竹中さんか。
少し前までの民主党は比較的それに近いような立場だったけれども、政権奪取が現実味を帯びてくると、どうもそういった意見は後退しているように見える。
そもそも小泉さんが進めた構造改革が、一見新保守的な政策だったから、それに対抗する意味で主張が転換していったのかもしれない。
民主党や自民党のマニフェストを見ると、非常に聞こえの良い政策が並んでいる。
どちらの党の政策も実現には莫大な資金が必要で、財政再建のことも考えれば増税は避けられない状況だと思う。
増税のことをはっきり書いている自民党の方が、ある意味誠実だろう。
僕が考えるに、国の事業なんて少なければ少ないほどよい。
郵政なんて国がやる必要はないし、国鉄の民営化なんてのも当然だ。
法律によって最低限の公共性だけを担保すれば、後は自由でよいはずだ。
だから、赤字が出ても国は支援なんかしなくてすむ。
民間でできることは民間でやればよい。
国でしかできないことを、国はやればよい。
国がスリムになれば、税金は安くすむ。
ただ、こういった小さな政府=低福祉と考えるのは間違いだ。
国家予算とは別の会計でできることはたくさんある。
税金が安いということは何を意味するのか。
簡単に言えば、金持ち優遇である。
税金が高い社会というのは、金持ちからたくさんとって貧乏人に回す再分配社会である。
この場合、金持ちには何のメリットもない。
昔だったらそれでも良かったかもしれないが、国際化社会の中で、金持ちが税金の安い国に逃げられては、この制度は成立しにくい。
好景気というのはお金がたくさん使われている状況のことを指す。
金が回れば好景気なのだ。
金持ちが気前よく、ばんばんお金を使える状況であれば、社会にお金が回り雇用が生まれていく。
政府が金持ちからお金を取って貧乏人に再分配しても、日々の生活費に消えてしまうだけで景気にはほとんど影響しない。
政策として、金持ちにお金を使うことを後押しする仕組みや制度を作ることができれば、結果として低所得者への再配分が効率的にすすむことになる。
ところが、こういう政策を唱える政治家は少ない。
なぜかといえば、票にならないからだ。
小さな政府というのは、公共事業が少なくなるし、公務員も少なくなるから雇用の枠が小さくなる。既得権益も小さくなる。
その上「金持ち優遇」というレッテルを貼られるから、自分のことを金持ちと考えていない人から反発を買うことになる。
別に貧乏人を冷遇するわけではないのに。
しかしながら、このまま財政赤字を垂れ流し続ければ早晩破綻するのは明らかである。
やはり小さな政府を指向し、財政の支出規模を小さく絞り込み、借金の返済に充てるべきだと思う。
今こういったことを唱える人は少ないが、少なくとも今回の選挙は、この方針に最も近い政党に投票するつもりだ。