家電製品の選び方 4 電池
乾電池って、ちゃんと選んで使っているだろうか。
「サイズさえ合えばOK」とかで、何でもかんでもアルカリ乾電池を使っていないだろうか。
その考えは危険だし、コストに見合わない。電池工業会のサイトに使用機器別の電池の向き不向きが出ていたので引用してみた。
引用元
アルカリ乾電池 | マンガン乾電池 | ||
音響・映像 | ミュージックプレイヤー | ◎ | |
CDラジカセ | ◎ | ||
ポータブルMD・CD | ◎ | ||
携帯ラジオ | ◎ | ○ | |
インターフォン | ◎ | ○ | |
液晶TV | ◎ | ||
おもちゃ | 電動のおもちゃ | ◎ | |
ラジコンカー | ◎ | ||
電子ゲーム | ◎ | ||
灯器 | 強力ライト | ◎ | ○ |
懐中電灯・ペンライト | ○ | ◎ | |
PDA・電子手帳 | ○ | ||
デジタルカメラ | ◎ | ||
掛時計・置き時計 | ○ | ◎ | |
シェーバー・電動歯ブラシ | ◎ | ||
リモコン | ◎ | ◎ | |
ガス・石油機器自動点火 | ○ | ◎ | |
電子辞書 | ◎ |
これはあくまで目安で、実際には機器が取扱説明書などで指定する電池を選ぶと良い。
マンガン乾電池は安価だが、電力が小さい。従って、小さな電力で動く時計やガスや石油機器の着火装置に使うことに向いている。
アルカリ乾電池はマンガン乾電池に比べて電池容量が大きく、大きな電力を長い時間必要とするオーディオ機器やモーター搭載系の機器に向いている。
乾電池の代替として注目されているのが充電池だ。
その注目ポイントは、環境負荷・経済性・手間だと思う。
まず環境負荷だが、充電池も含めいかなる電池も有害物質を大量に含んでいる。使い捨ての電池も何度でも使える電池も、廃棄となれば有害物質を大量に捨てることになる。
現在充電池としては主流のニッケル水素電池の場合、例え有害物質が乾電池の倍以上含まれていたとしても再利用できる回数のことを考慮すれば圧倒的に有利だと言うことがわかる。
経済性だが、下記に費用試算を示す。およそ5年前に同様の試算をしたときよりも電池の性能が上がっているため、脅威の結果となっている。
eneloop費用試算
FDK製の単三形マンガン電池R6PSCは4本あたり127円
現行eneloopの単三形、BK-3MCC/4は4本あたり872円
新型eneloopは2,100回充電可能なので、単三乾電池を2,100本用意するときの費用は
127円×525パック=66,675円
新型eneloopは4本充電の1回の費用が約1円なので、2,100本分使用する際の費用は
872円(4本の初期費用)+(1円(1回の費用)×2,100/4回)=1,397円
その差額は65,278円。
充電器費用が2,000円としても、63,278円の差額が出る。
電池価格は2015年1月4日現在のビックカメラ.comのもの。
充電費用はパナソニック公式ページによるもの。
価格差は圧倒的で、充電池が使用できる機器であれば、使用しない理由はほとんど無い。
ただし、不向きな機器もあるので要注意。
主な単三充電池の定格出力は1.2V、乾電池は1.5V。
充電池の出力レベルはほぼ1.2V前後だが、乾電池は1.5Vから始まって0.9V位まで徐々に落ちてゆく。
従って、ずっと1.5Vの出力を必要とする機器には使えない。
私の経験上では、電動歯ブラシとLEDマグライトは、高出力を必要とするので使えない。
この場合は素直にアルカリ乾電池を使用し、動かなくなった場合は低出力でも問題ない機器に電池を転用すると良い。
尚、試算ではマンガン乾電池を使用したが、FDK製のアルカリ電池に差し替えた場合でも、4本216円前後で手に入るので結論は変わらないことを付記しておく。
また、仮に100円ショップで手に入るような安価な乾電池と比較しても、ニッケル水素充電池の優位性を崩すのは難しい。