市場による淘汰
マスコミ諸君は何でも悪者を作りたがるようで、例の高速バスの事故でもやはりあそこに目をつけてきた。
曰く、過度な規制緩和が招いた、と。
確かに、それは一理あるとは思う。
でも、ワイドショー的マスコミのどの口がそれを言うかとあきれてしまう。
ワイドショーや朝夕の報道番組や情報番組で、「激安ツアー!」「お得ツアー!」と安価なことを強調した特集をさんざん組んできたじゃないか。
数年前にスキーのバスツアーでの事故があっったあとも、そういったことを続けてきた。
そんなマスコミの言うことは説得力が無い。
基本的には、規制など何も要らない。
自分の命を守るのは自己責任なのだから、命が惜しければそれなりにきちんとしたバス会社を選べば良いし、安いのが良いのならそういったバス会社を選べばいい。運が良ければ無事に目的地につくだろう。
ただし、それはすべての情報が利用者にディスクローズされていることが条件だ。
すべてのバス会社が運行形態などの内情を明確に出しさえすれば、夜間一人運行だろうがなんだろうが構わない。多くの消費者が安全性を選ぶようになれば、そういった業者は自然と退場することになる。
完全なディスクローズというのは実現し得ないので、そこで何らかの規制をしてそれに近い状況に近づけるというのが本筋だ。
だからこの場合の規制の主眼は「安全に運行させること」ではなく、「正確な情報を提出させること」であるべきだ。
不正確な情報を出して消費者を惑わせることは、市場を冒涜する行為としか言いようが無い。
規制というのは市場を公正に運営させるという趣旨に添うべきで、それ以外は不要である。
もちろん、交通事故というのはなんの責任も無い他者を巻き込む可能性がある以上、安全規制することは道理だと言うことだけは最後に指摘しておく。
ただしそれは高速ツアーバスに限ったことでは無く、すべての車両が対象だ。