不気味
何があった? 有名サイト「ゆびとま」の突然停止 あす再開予定
6月13日13時38分配信 産経新聞
同窓会サイト「この指とまれ!」の運営会社が入っていたビル。事務所は空っぽとなっている=東京都中央区(写真:産経新聞)
350万人以上が登録しているとされる国内最大の同窓会サイト「この指とまれ!(通称・ゆびとま)」が5月上旬に突然停止した。開設当初は「ITベンチャーの星」と期待されながらも、その後はビジネスモデルの構築に難航して伸び悩み、一時は暴力団関係者が経営に関与するなど不可解な側面も持ち合わせていた。一方、サイトは14日に再開されるというが、運営会社が入居するビルの一室は空っぽで連絡先も不通のままだ。同窓生の再会をネット上で支援してきた超有名サイトの裏側で、一体何があったのか?。(花房壮)■事務所はからっぽ…「甚大なトラブル」で停止
東京都中央区日本橋。隅田川の支流を見下ろすオフィスビル7階にある一室は、もぬけのからだった。
「確か、事務所が出ていったのは昨年だったかな。行き先は知らないよ。まあ、出ていくまでにいろいろあったようだし…。ただ、これ以上聞かれても何も言えないから」
6月上旬。同窓会サイト「ゆびとま」の運営会社「この指とまれ」の登記上の所在地となっているビルの関係者は、産経新聞の取材に早口でそう答えた後、押し黙った。
運営会社の問い合わせ先に電話をかけたが、すでに不通だった。
運営会社はどこに消えたのか。そして、サイト運営の今後はどうなってしまうのか?。登録者の間ではそんな不安が広がっている。
《甚大なトラブルが発生したことにより、しばらくサービスを停止させていただきます》
「ゆびとま」のウェブサイト上にこんな告知が掲載されたのは、5月2日のことだった。
「お盆の時期に田舎で集まって久しぶりに同窓会をやろうと思っていたのに…。このまま停止状態が続くと、出欠の確認も十分できない」
都内に住む30代の男性会社員は、サービスがなかなか復旧されない状況にいらだちを募らせる。40代の独身の男性会社員も「昔の同級生たちの近況を知ることは、自分にとって癒しみたいなものだったのに…」と困惑した表情を浮かべた。
突然停止した「ゆびとま」は、平成8年5月に開設された会員制のコミュニティーサイト。サイト上に分類された小学校から大学、専門学校などの各校ごとに氏名、メールアドレスなどを登録すれば、同様に登録した同窓生や恩師らの近況がわかったり、連絡がとれる仕組みだ。現在、登録された学校数は統廃合でなくなった学校を含め国内で約6万校に上り、会員も350万人を超えているとされる。
開設者で当時「この指とまれ!」を運営していた「ゆびとま」(長崎市)社長の女性は平成13年、優れた業績や活動を残した女性に贈られる「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー」(ネット部門)を受賞し、IT業界でもその存在に脚光が集まっていた。
「今でこそネット上での同窓会関連ビジネスはめずらしくないが、『ゆびとま』はその中でも草分け的存在だった。同窓会とネットを結びつけるビジネスセンスに新鮮さを覚えた業界関係者も少ないないだろう」
IT企業関係者はそう振り返った。
■一時は元暴力団組長が社長…スポンサー、会員離れ加速
ただ、輝かしい側面ばかりではなかったようだ。
「今思えば、あの一件が経営的にもイメージ的にも大きなダメージになったことは間違いない」
業界関係者が口にする「あの一件」とは、19年2月に警視庁が摘発した経済事件を指していた。
事件では、民事再生法適用を申請して経営破綻(はたん)した都内のコンピューター関連機器メーカーの資産を不正流用したとして、同社元社長Aと、元暴力団組長で同社元副社長Bらが民事再生法違反(詐欺再生)容疑で逮捕、起訴=その後、いずれも有罪確定=された。
実は、この2人が運営会社「ゆびとま」の経営中枢に入り込んでいたことが、警視庁の捜査などで発覚したのである。
業界関係者によると、「ゆびとま」は18年1月に都内のIT会社を吸収合併。その際、合併先の株式を持っていたA側が「ゆびとま」の臨時株主総会で経営権の掌握に成功。Aは、以前から知り合いだったとされるBを経営陣に招き、同年4月にBは社長に就任したのである。
「2人の行為は、『ゆびとま』への事実上の乗っ取りだった。そして、売却も狙っていた」
業界関係者がこう言うように、実際にBらは都内のネット事業会社に「ゆびとま」の売却を計画し、子会社化させることで合意していたという。ただ、その後に売却条件が折り合わず交渉は頓挫した。
経営へのBの関与が広く報道された同社は、事件直後の19年2月下旬に取締役会を開き、役員を刷新したが、スポンサーや会員への衝撃は小さくなかったようだ。
「ゆびとま」のビジネスモデルは、その会員数の多さを“武器”に、スポンサーからの広告収入で成り立っていたとされる。「IT業界の成長期でもあった12年ごろまでは、広告も順調に集まってきた」(業界関係者)というが、その後のネットバブル崩壊以降はスポンサー側も広告効果を厳しく見極めるようになり、「ゆびとま」の広告収入も次第に減少していったとされる。
そうした状況の中で発覚した「暴力団勢力の関与」というマイナス情報は、スポンサー離れや会員の退会を決定的に加速させたというのだ。
一方、サービスそのものに対する厳しい評価もユーザー側から聞こえてくる。10年以上の会員歴を持つ中部地方の30代男性は、こんな実情を漏らす。
「懐かしい同窓生の近況をサイトで確認しても、それ以上のアクションをとる気はないですよ。学校を卒業して一度疎遠になると、ネット上とはいえ、なかなか会話の糸口はないですから。登録は一応今でもしていますが、もう何年もアクセスしていません」
別のユーザーは「同窓会を開くなら、積極的な幹事役がいないとなかなか盛り上がりません。ネット上で告知された機械的な同窓会では、どうにも味気ないのです」と“飽きの早さ”を指摘する。
IT企業関係者も「確かに登録会員数は多いが、休眠会員も相当いるのではないか」と、表からは見えにくい超有名サイトの内幕に言及した。
■一方的な説明に批判噴出…「再建委員会」って何?
現在、サイトを運営するのは都内の投資会社の子会社「この指とまれ」だ。長崎市の「ゆびとま」から営業権を譲渡され、19年8月に設立された。
民間信用調査会社によると、運転資金は投資会社から調達しているが、20年3月期決算はアクセス数の伸び悩みや広告収入の低迷などから大幅な最終赤字になった。親会社の資金繰りも厳しいとされ、経営環境の改善は容易ではないという。さらに、最近ではサイト事業の売却話も業界内でうわさされていた。
サイトが突然停止したのは、そんな矢先だった。
ネット上では「融資の返済ができず、担保の事務機器が差し押さえられたらしい」などと、有象無象の情報が飛び交っている。
IT企業幹部は「システムダウンはよくあることだが、それにしても復旧に時間がかかりすぎている。技術者がいないのか、それとも、復旧費用に必要なお金がないのか…」と漏らした。
5月31日には「ゆびとま」ウェブサイト上に新たな告知が掲載された。
《サービス復旧に関する作業全般および復旧後のサービスの管理業務につきまして「ゆびとま再建委員会」なる組織に移管することを、株式会社「この指とまれ」様より承認いただきました…》
告知主は「ゆびとま再建委員会」事務局となっていた。
「再建委員会」のメンバーは、複数の企業と日ごろからサイトをよく利用している数人のヘビーユーザーで構成されているとされる。また、復旧後の個人情報の帰属やサービス全般の運営についても「この指とまれ」側と慎重に協議する旨も記載されていた。
だが、運営母体の変更を示唆する告知について、会員からは「再建委員会の存在は初耳。運営にかかわる重要事項の説明も一方的だ」といった批判が噴出しているのだ。
再建委員会の具体的な構成メンバーや復旧状況などについて取材しようと、委員会事務局の問い合わせ先のアドレスにメールを送ったが、期日までに返答はなかった。
暴力団関係者の関与が発覚して以降、運営母体や経営陣が交代し、迷走状態から脱却しきれていないかのような超有名サイトの「ゆびとま」。再建委員会の告知では14日にサービス再開を予定しているというが、会員からの信用回復は容易ではなさそうだ。
いやまぁゆびとまの話なんて僕にはどうでもよいこと。
不思議なのが、こんなのに登録する人がいるという事実。
正直、同窓会なんて興味ないな。
そんなものが好きなんて不気味だ。
もうちょっと年をとれば考えが変わるのかもしれないけれど。
SNSもちょっとね。
mixiはやっているけど、日記はやめてこのブログに一本化した。
ただの日記交換なんて興味ないから。